はじめに
ジュピターショップチャンネルは、1996年に設立された日本初のショッピング専門チャンネルです。2003年にはECサイトをオープンし、ファッション、ビューティー、ホームグッズ、グルメなど多岐にわたる商品を紹介・販売しています。このブログ記事では、チーターデジタルのメール制作支援チームと取り組んだメルマガ施策の改善事例を解説します。
メール制作の課題:KPI向上のためのフォーマット刷新と訴求力強化
ジュピターショップチャンネルでは、長年運用していた定例メルマガのフォーマットの刷新と、2回目購入促進メールのクーポン訴求の成果向上を目的とし、チーターデジタルのメール制作支援チームとの共同プロジェクトを行いました。
―――ジュピターショップチャンネル 原さん
「チーターデジタルの支援を受ける前は2つの課題がありました。一つ目は【メルマガのフォーマットの改善】です。まずは、毎週金曜日に定期的に配信しているメルマガのフォーマットを何とかしたいと思っていました。背景としては、もう何年も同じフォーマットをずっと使い回していたんです。直接お客さんに届けるメールは店舗でいうと店構えや陳列棚のようなもので、お客さんの目に触れる最初のところです。そこが時代遅れになっていないかという懸念がありました。実際、数字の方も緩やかではありますが、徐々に反応が弱くなってきていて、開封率やクリック率が徐々に下がってきたという課題がありました」

―――ジュピターショップチャンネル 原さん
「そして二つ目が2回目購入を促すためのメールの【コンテンツ訴求方法の改善】です。2回目購入を促すためのメールは2種類運用しており、特にクーポン割引を付与しているんですが、改めて見てみると視覚的にもなかなかクーポンをもらっているというところが伝わりにくいんじゃないかという課題がありました。そのためクーポンを視覚的にぱっと見で分かりやすく訴求する工夫が必要でした」
これらの課題に対し、チーターデジタルへの支援依頼に至ったきっかけについて、ジュピターショップチャンネルの三渡さんは次のように説明しています。
―――ジュピターショップチャンネル 三渡さん
「もともと別の会社で働いていた担当者が、私の会社の出向元に転職してきて、同じ部署に来たんです。そのときに『メール制作支援でいい会社ありますか?』と聞いたら、チーターデジタルという会社からメール配信の支援を受けていると聞き、その後紹介いただいたのがきっかけです。やはり実際にお話を伺っていく中で支援実績が豊富にあったり、信頼性が高い中で相談や依頼ができるというのが最終的な決め手でした」

3つのメール施策の改善とチーターデジタルの支援
チーターデジタルの支援は主に3つのメール施策に焦点を当てて行われました。
- 定期メールの改善
- 初回購入サンクスメールのHTML化
- F2化(2回目購入促進)メールの改善
1. 定期メールの改善
定期メールの改善では、ヘッダーナビやCTAの動線を増やし、ターゲットの年齢層に合わせて見やすく分かりやすいデザインに変更しました。実際の数値として、メインコンテンツが少ない週でも、ナビゲーションエリアのクリック率が増加し、全体の売上を下支えする効果が見られました。
―――ジュピターショップチャンネル 相澤さん
「コンバージョンがしっかりベースとして上がってきたことと、メインコンテンツでの売り上げの変動に左右されにくくなったところが、一番効いていると思います。具体的には、週ごとに訴求したいコンテンツの量が増減するのですが、以前はコンテンツ数が少なくなるほど定期メールからの売り上げのベースが下がってしまう傾向がありました。今回、ヘッダーやカテゴリナビを入れたことで、メール上部のメインコンテンツがユーザーに刺さっていなくても、メール下部のコンテンツをしっかりと見てもらうことができ、全体のクリック率が改善しています」

2. 初回購入サンクスメールのHTML化
初回購入者へのサンクスメールは、それまでテキスト形式だったものをHTML形式に変更し、情報量を増やすとともに視覚的な訴求力を高めました。具体的な効果として、メルマガ経由売上の増加が見られました。
―――ジュピターショップチャンネル 原さん
「HTML化すれば間違いなく効果が上がるだろうと思っていましたが、実際に売り上げもしっかり取れるようになりました。やはりメールを開封した時のファーストインプレッションが重要ですね」
―――ジュピターショップチャンネル 三渡さん
「初回購入サンクスメールの改善は、クリックが明らかに増えたことと、従来のテキストメールではやっていなかったクーポンの付与をこのタイミングでできたことが大きいですね」

3. F2化(2回目購入促進)メールの改善
F2化メールの改善では、ファーストビューの見直しとレコメンデーション機能の追加が主なポイントとなりました。
―――ジュピターショップチャンネル 三渡さん
「ファーストビューを見直す事でそれぞれのメールが何を訴求しているのかが明確になりました。以前のビジュアルでは、クーポンの文言が小さく目立たなかったのですが、新しいデザインでは『1,000円OFF』など、具体的なユーザーのメリットを目立たせるようにしました。また、画像を利用したレコメンデーションを追加したことで、ECサイトへの遷移を促す動線が作りやすくなったと感じています」

お客様の年齢層を意識したクリエイティブ制作の重要性
原さんは、ジュピターショップチャンネルの顧客層の特徴と、それに合わせたデザインの重要性について気づきがあったと説明しています。
―――ジュピターショップチャンネル 原さん
「弊社の場合、一般的なECサイトと比べて、幅広い年齢層のお客様にご利用いただいています。これまでは、どうしても社員の年齢に近い層をイメージしてデザインを作りがちでした。しかし、今回の支援を通じて、多様な年齢層のお客様を意識したクリエイティブの重要性を再認識しました。特に、視覚的な分かりやすさや操作のしやすさを重視することの大切さを学びました。これは私たちにとって大きな気づきで、今後はこの点をしっかりと意識していく必要があると感じています」
チーターデジタルでは、ジュピターショップチャンネルのメールマーケティング改善に向けて、文字サイズの拡大や細かな調整により視認性を向上させました。運用効率を考慮し、画像やCTAの差し替えが容易なテンプレート設計を行い、コーディングも最適化。これにより、見た目の改善だけでなく、運用工数の削減も目指しました。結果として、ジュピターショップチャンネルでは、視認性、使いやすさ、効率性を兼ね備えた効果的なメールコミュニケーション基盤を構築しました。
クライアントと共に創り上げる:チーターデジタルの伴走型支援
チーターデジタルのメール制作支援プロジェクトでは、小売ブランドのデジタルマーケティング支援経験が豊富なメンバーがクライアントと綿密にコミュニケーションを取りながら、各メールの特性に合わせた最適な改善を提案しています。

―――ジュピターショップチャンネル 三渡さん
「全体的に進め方が良かったです。我々の細かい要望や制約がある中で、適宜ミーティングを重ねながら最終的な成果物を納品していただけました。単に納品して終わりではなく、一緒に作り上げていく姿勢が非常に良かったです」
―――ジュピターショップチャンネル 相澤さん
「制作の成果物以外にも、日々のマインドや考え方など、いろいろなお話を伺えたことが非常に良かったです。直接的な支援の成果だけでなく、思考的な部分での成果も得られました。」
―――ジュピターショップチャンネル 原さん
「専門家として一般論を押し付けるのではなく、我々の『ここは守らなければいけない』というところをしっかり聞いていただき、着地点を見出していただけました。複数回のミーティングを通じて、スケジュール管理もしっかりしていただき、納期通りに納めていただいたことに感謝しています」
今後の展望:パーソナライゼーションとマルチチャネル戦略
3つのメールシナリオを改善し、売上構築の基盤を作った今、ジュピターショップチャンネルは「メールのパーソナライゼーション」と「マルチチャネル戦略」に取り組んでいきます。

―――ジュピターショップチャンネル 三渡さん
「個人的には、今回の汎用化や画像を使ったレコメンデーションの導入で、メールのパーソナライズ化が一歩進んだと思っています。今後は、お客様のこれまでの購買データやログ行動なども活用して、もっと個別化されたパーソナライゼーションをやっていきたいですね」
―――ジュピターショップチャンネル 相澤さん
「私もパーソナライズ化とセグメント化の進化は必須だと考えています。適切な情報を欲しい方に適切なタイミングで送れるようにすることで、お客様との距離をより近づけたいと考えています」
―――ジュピターショップチャンネル 原さん
「メールだけでなく、LINEやアプリも含めて、お客様それぞれに最適なツールを使い分けることができれば理想的です。売り上げも取りつつ、お客様が抱くブランドイメージをさらに良くしていくコミュニケーションができればと思います」
※ 本記事は2024年9月時点の情報です