はじめに
ドイツのバイエルン州で1924年に誕生したスポーツブランド「PUMA」。スポーツシューズ、スポーツウェア、ファッションアイテムなど幅広いジャンルの商品は長年世界中で愛されてきました。この記事では、プーマジャパン Eコマース本部でCRM領域を担当する、マネージャー 小牧正幸さん・シニアエグゼクティブ 吉岡沙紀さんへの取材内容を基に、チーターデジタルの「Cheetah Digital by Marigold 」を同社が導入した背景やプーマジャパンのCRM領域全体の刷新を見据えたMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用方法を解説します。
サマリー
- Cheetah Digital by Marigold の導入背景
- Cheetah Digital by Marigold の選定理由
- 柔軟なデータ連携が可能
- 条件フィルターが使いやすい
- 細かなコンテンツ表示もA/Bテストが可能
- CRM領域全体を見据えた伴走パートナー
- Cheetah Digital by Marigold の選定理由
- Cheetah Digital by Marigold の導入工程・活用方法
- チーターデジタルによるMAツール導入支援
- 日英での運用マニュアルを用意
- コミュニケーションツールを通じた即座のサポート体制
- MAシナリオのシナリオ実装・シナリオ改善
- ダイナミックブロック・ループブロックの活用でMAシナリオを改善
- コンサルタントの提案×ABテストでメール効果を向上
- チーターデジタルによるMAツール導入支援
- プーマジャパン 今後の展望
- 効果的なパーソナライズとCRM領域全体でのROI達成
1.Cheetah Digital by Marigold の導入背景
プーマジャパンはCRM全体戦略の一環として、より高いパフォーマンスを実現するためにMA(マーケティングオートメーション)ツールの刷新を決定しました。新しいツールを導入することで、今後のCRM戦略の実行がより効果的になると期待されています。
―――プーマジャパン 吉岡さん
「CRMの観点から、多様なお客様のニーズに対応するためには、多くのセグメントを作成していかなければなりません。この点で、Cheetah Digital by Marigold に移行することで、連携できるデータ項目や型などの制約がなくなるというのは大きなメリットでした。加えて、フィルターの使いやすさは非常に感じています。他社のMAツールに比べ条件フィルターがわかりやすく使えると感じましたし、どの部分の誤差が大きいかを把握しやすくなりました。またABテストはテストできるバリエーションが広がりできる事が増えました。Cheetah Digital by Marigold では、件名だけでなくコンテンツの部分も細かくテストでき、テキストの変更や画像の差し替えなど、この人にはこの内容を見せるといった多種多様なABテストが可能です。こうしたポイントから、Cheetah Digital by Marigold はパフォーマンス向上に必要なツールだと感じて導入を決めました」
―――プーマ ジャパン 小牧さん
「選定段階ではMAツール単体ではなく、CRM領域全体でのROIを高めていくため、それを取り巻く領域まできちんとカバーできるかという拡張性が重要なポイントでした。また機能だけでなく、伴走サービスも含めて整っているかどうか、弊社と同じ立場になって一緒になって考えてくれるかどうか、という姿勢の部分も重要視していました。他社と話をしても、これらすべての要件を満たせる企業はあまり多くなかったと思います」
―――プーマジャパン 吉岡さん
「プーマジャパンとして私たちの最大の目標は、お客様にPUMAを好きになってもらうことです。購買促進も一つの目標ですが、顧客との関係性を強化するための施策を実行ができるツール・支援体制が必要です」
2. Cheetah Digital by Marigold の導入工程・活用方法
日英での運用マニュアルと即座のサポート体制
様々な機能を兼ね揃えるMAツールですが、導入時につまずく企業も多くいらっしゃいます。プーマジャパンでのMAツールリプレイスでは、効果的な運用ができるようチーターデジタルは詳細なマニュアルの提供だけでなく、即座に対応できるサポート体制を敷いています。
―――プーマジャパン 吉岡さん
「トレーニングやマニュアルなど、導入時のサポートは、手厚くしていただきました。今までMAツールを使ったことのないチームメンバーも、チーターデジタルが用意してくれた詳細なマニュアルがとても分かりやすかったおかげで、各種機能の使い方も身に着ける事ができ、現在は一人でメール配信ができるようになりました。またコミュニケーションツールを通じてわからないことがあれば即座に質問できるサポート体制があり、大変安心しています。加えて、今回のMAリプレイスは日本のプロジェクトとして始まりましたが、グローバル本社との調整が必要になる場面も多く、英語資料の用意や英語でのサポートをしていただけたこともとても心強かったです」
―――プーマジャパン 吉岡さん
「何か課題にぶつかった時、それに対して『できない』ではなく「こういう選択肢があります」と提示してくれるところにすごく安心感がありました。チーターデジタルなら、何とかしてくれる、Cheetah Digital by Marigold だったら何とかできるのではないか、と私たち自身CRM施策を実行する姿勢が大きく変わってきました。」
ダイナミックブロック・ループブロックの活用でMAシナリオを改善
Cheetah Digital by Marigold では、ダイナミックブロック(条件に応じた内容の出しわけ機能)やループブロック(個人の行動履歴に応じた内容の出しわけ機能)を活用することで、個々の顧客に合わせたコンテンツを配信できます。全ての顧客に同じ内容を配信するのではなく、個別にカスタマイズされたコンテンツを提供することで、顧客満足度を向上させます。これにより、プーマジャパンは時代に合った、パーソナライズドマーケティングの実現へと取り組んでいます。
―――プーマジャパン 吉岡さん
「Cheetah Digital by Marigold にリプレイスしたことで、もともと利用していたCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)との連携の幅が広がり、CDPに蓄積されているユーザーの閲覧データや購買データを活用できるようになりました。例えば、ランニングシューズを購入した事があるといったユーザーセグメントを連携するだけでなく、過去数ヶ月間にランニング関連の商品や一覧ページを閲覧したユーザーセグメントを連携するなど、これまで以上に精度が高いマーケティングが実行できるようになりました。
―――プーマジャパン 吉岡さん
「シナリオ改善ですともう一つバースデーメールの運用も変わりました。毎月手動で誕生日のクーポンコードを設定していましたが、Cheetah Digital by Marigold ではメール配信の自動化が進み、ループブロックを使うことで業務効率が改善しました。例えば、4月から5月に変わると自動的に5月のクーポンが表示されるようになり、業務リソースを削減すると同時にヒューマンエラーを未然に防止できるようになりました。また、『今日から30日以内はクーポンが使える』といった設定も自動化できるようになったためとても便利です。ダイナミックブロック・ループブロック活用によって作業効率が良くなったので、さらに新たな施策を作る、深いシナリオを考えるなど、施策検討の時間を増やせるようになりました。他の要因もありますが、施策本数は以前より確実に増えています。」
コンサルタントの提案×ABテストでメールの開封率・クリック率を向上
プーマジャパンでは、チーターデジタルのCXコンサルティング支援も活用しています。シナリオ・クリエイティブ改善やABテスト検証にコンサルタントが伴走し、効果向上に取り組んでいます。件名への名前挿し込みや絵文字表示なども実施し開封率が向上しました。また、メール本文も細かなチューニングを行うことでクリック率の向上につなげています。
―――プーマジャパン 吉岡さん
「ABテストもたくさんご提案いただいた中で、商品欄に遷移ボタンを付けるかどうかをテストした結果、遷移ボタンを付けた方が良いという結論に達しました。また、クリエイティブの部分だとメールフッターは、3〜4年間同じものを使っていましたが、ダイナミックブロックなどを活用して、パーソナライズする必要があると考えています。例えば、アプリをダウンロードしていない人にはアプリのバナーを、会員ではない人には会員登録のバナーをフッター部分に表示するなど、個々に合わせたクリエイティブを検討しています」
プーマジャパン 今後の展望
効果的なパーソナライズとCRM領域全体でのROI達成
今後の展望として、プーマジャパンでは、Cheetah Digital by Marigold を活用した1to1コミュニケーションや、より個々のユーザーにパーソナライズされたメールシナリオの実施を視野に入れています。さらには、アンケートを実施し顧客のニーズを的確に把握、そのデータをCDPに取り込み各プラットフォームへ連携する事でお客様との絆を強め、ブランドの魅力を高めていきます。
―――プーマ ジャパン 小牧さん
「Cheetah Digital by Marigold だけではなく、Marigold LoyaltyやMarigold Grow(多様なテンプレートでインタラクティブなキャンペーン設計・実装ができるチーターデジタルのソリューション)を組み合わせたツール群全体としてのROI(投資対効果)をどう向上させるかが重要だと考えています。ツール間の連携や施策を通じてROIを上げていくことを今後も期待しています。現時点でもある程度の成果が出ており、その点については高く評価しています」
―――プーマジャパン 吉岡さん
「プーマジャパンとしては、もっとPUMAのブランドを好きになってもらうために、複数のツールを組み合わせて活用していきたいと考えています。具体的な施策では、1to1のパーソナライズをさらに進め、メールを配信する相手やタイミングを考慮し、購入履歴に基づいて、より最適なシナリオを設計することで、コミュニケーションの無駄を減らしていく考えです。また、会社としては当然お客様に購入していただくことも重要なので、購買動機を更に喚起させていくために、作業効率をあげ新しい施策を実行していくことやデザインの見極めなど、さらにブラッシュアップしていきたいと考えています」
今後ますます進化するプーマジャパンの取り組みに引き続きご注目ください。
※ 本記事は2024年5月時点の情報です