メールマーケティングとは、Eメールの配信を通じて、顧客の育成や新規購入の促進、ブランドのファンづくりやリピート購入促進などのマーケティング活動を行う手法です。
例えばメルマガやキャンペーンのお知らせメールの配信なども、メールマーケティングの一種です。
いまやメールマーケティングに関わっていない企業はないといっても過言ではないほど、私たちにとって身近な手法といえるでしょう。
しかしながら、意図して巧みにメールマーケティングを実践できている企業がどれだけあるか?というと別問題です。
本記事では、改めて注目すべき「メールマーケティング」について、基礎知識から成功ポイントまで取り上げます。
本記事のポイント
- メールマーケティングの基本がわかる
- メールマーケティングの種類やKPIが把握できる
- メールマーケティングで成果を出すためのコツを解説
「メールマーケティングとは何なのか知りたい」
「メールマーケティングで成果をあげたい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、「メールマーケティングの基礎知識」はもちろん、どのように実践すれば収益アップや顧客増などの結果を手にできるのか、わかるようになります。
知識をつけたうえで意図的に実践すれば、大きな成果をあげられるはずです。さっそく解説を始めましょう。
1. メールマーケティングとは何か?基礎知識

まずは「メールマーケティング」とは何なのか、基礎知識から解説します。
1-1. メールマーケティングの概要
冒頭でも触れたとおり、メールマーケティングとは、Eメールの配信を通じて、顧客の育成や新規購入の促進、ブランドのファンづくりやリピート購入促進などのマーケティング活動を行う手法です。
簡単にいえば、メールを使ったマーケティング施策全般を広く指してメールマーケティングと呼びます。
Eメールが一般化した1990年代から現在まで、Webマーケティングにおいて重要な役割を担ってきたのがメールマーケティングです。
1-2. メルマガもメールマーケティングの一種
「うちの会社は、メールマーケティングには取り組んでいない」
——という方がいるかもしれませんが、多くの企業は意識する・しないにかかわらず、何らかの形でメールマーケティングを行っています。
例えば、私たちにとって最もなじみ深いメールマーケティングの具体例は、「メルマガ配信」です。
メルマガの配信を通して購買促進を図ることは、立派なメールマーケティングの一種といえます。
そんな昔からあるメールマーケティングが、改めて今、注目を集めています。その理由は次章でご紹介しましょう。
2. メールマーケティングが再び注目されている3つの理由

すでに使い古された手法かのように思えるメールマーケティングですが、再び注目されている理由として、以下が挙げられます。
- マーケティングのデジタルシフトが進んでいる
- マーケティングオートメーションと相性が良い
- 効果検証がしやすく改善しやすい
それぞれ見ていきましょう。
2-1. マーケティングのデジタルシフトが進んでいる
1つめの理由は「マーケティングのデジタルシフトが進んでいる」ことです。
デジタルマーケティングが台頭してから久しいですが、そうはいっても、2010年代頃まではまだまだアナログな面が多く残っていました。
例えば、あなた自身も、郵送によるハガキのダイレクトメールやポスト投函型のチラシなど、「紙」を経由したアナログのコミュニケーションを経験することがあるでしょう。
しかし、2020年代以降は、もともと政府が主導していたDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の時流に、コロナ禍による強制的なデジタル化が加わって、いよいよマーケティングのデジタルシフトが本格化しています。
そのため、これまでアナログで行われてきたコミュニケーション(郵送のDMなど)のメールへ置き換えが加速しており、改めてメールマーケティングが注目されるきっかけとなっています。
2-2. マーケティングオートメーションと相性が良い
2つめの理由は「マーケティングオートメーションと相性が良い」ことです。
2020年代のマーケティング界において、最もホットな話題は「マーケティングオートメーション(MA)」といっても過言ではありません。
マーケティングオートメーションとは、デジタル技術によってマーケティング活動を自動化することで、具体的には「シナリオ」と呼ばれる顧客とのコミュニケーションプランを作成すると、シナリオが自動実行されます。
このマーケティングオートメーションと好相性なのが「メール」を使ったコミュニケーションです。
例えば、プレゼントキャンペーンに応募してきた見込顧客(まだ購入したことがない)を、新規購入に導くプランを考えてみましょう。
「見込顧客の中から、マーケティングオートメーションの機能を使って特に購入意向の高い顧客を選び出し、その顧客が特に困っている悩みを特定し、その悩みを解決するために最適な商品を、特別価格で購入できるオファーを、顧客がWebサイトを見た当日の夜にメールで送る」
……といったアプローチが可能になります。
マーケティングオートメーションとメールを組み合わせて使うことで、従来のメールマーケティングよりも高い成果が得られるようになったことを背景として、改めてメールマーケティングの力が見直されています。
2-3. 効果検証がしやすく改善しやすい
3つめの理由は「効果検証がしやすく改善しやすい」ことです。
マーケティング施策において成果を出すためには、効果検証と改善のプロセスが欠かせません。その観点から見ると、「効果検証のしやすさ」はイコール、成果の出しやすさに直結します。
デジタルマーケティングで活用できるコミュニケーションツールは、チャットやSNSなどいろいろな種類がありますが、他のツールと比較してメールは効果検証がしやすいのが強みです。
例えば、メールの到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率、配信停止率などの数値データを容易に把握できます。
これらのデータをもとに効果検証を行い、スピーディに改善を重ねることで、成果をあげていくことが可能です。
3. メールマーケティングの種類

メールマーケティングの具体的な実践としては、いくつかの手法があります。
ここでは以下の5種類について、ご紹介しましょう。
- メールマガジン
- キャンペーンメール
- ターゲティングメール
- ステップメール
- パーソナライズメール
3-1. メールマガジン
1つめは「メールマガジン(メルマガ)」です。
マガジン(雑誌)と名がつくように、企業やブランドが顧客に対して一斉に情報発信するのがメールマガジンの特徴です。
メールマガジンは、「毎週月曜の朝8時配信」「毎週火曜・金曜配信」といった具合に、あらかじめ配信スケジュールを決めて、定期的に配信されることが多いものです。
▼ メールマガジンの例
【ABCデジタルMagazine 第120号】秋の夜長にこんな読書はいかが?
こんにちは。ABCデジタルです。
空気に秋色が混じるにつれ、夜の過ごし方が愉しみな季節となりました。
今週のメールマガジンでは……
メールマガジンの内容は企業やブランドによって異なりますが、さながら雑誌のように連載や週変わりの読みものなど、一定のフォーマットで作り込んでいるケースもあります。
定期的に決められたペースでコンスタントに顧客と接し続けることで、顧客と一定の距離を維持し続ける効果があります。
3-2. キャンペーンメール
2つめは「キャンペーンメール」です。
キャンペーンメールは、定期配信で決まったフォーマットのあるメルマガとは異なり、臨時で送信する一斉メールを指します。
▼ キャンペーンメールの例
【締切間近!参加無料】限定フォーラム開催のお知らせ
今年も10月20日に限定フォーラムの開催が決定しています!
締切間近となりました。……
何らかの告知したいキャンペーンやお知らせがあるときに、その告知を主目的として配信します。基本的には1つのメールで1つのテーマを配信します。
伝えたいメッセージが絞り込まれているため、ピンポイントで確実に届けたい告知やキャンペーンに適するのがキャンペーンメールです。
3-3. ターゲティングメール
3つめは「ターゲティングメール」です。
ターゲティングメールとは、配信対象を絞って、特定のセグメントに対して送信するメールのことです。
例えば、「見込顧客/新規顧客/既存顧客/ロイヤル顧客/休眠顧客」といった大まかな分け方から、商品の購入履歴や興味関心など、さまざまなセグメントの分け方があります。
▼ ターゲティングメールの例
いつもABC化粧品をご愛顧くださる特別なお客様だけのご案内
ABC化粧品をご愛顧くださり、誠にありがとうございます。
本日は特別なお客様だけに限定で……
ターゲティングメールは、ターゲットを絞って配信することで、特別感・限定感を演出しやすく、反応率が高まる傾向にあります。
3-4. ステップメール
4つめは「ステップメール」です。
ステップメールとは、ある一定期間、決められたメール文を決められた順番で配信する手法です。
例えば、初回購入の新規顧客に対して、購入当日、3日後、7日後、10日後……といった具合に、段階的にメールを配信します。
▼ ステップメールの例
購入日:お礼メール
3日後:使い方のご案内
7日後:愛用者の声のご紹介
10日後:限定キャンペーンのご案内……
ステップメールでは、顧客に届けたいメッセージを、意図した順番通りに、適切なタイミングで届けられるのが特徴です。
少しずつ、段階的に情報をインプットすることで、顧客育成したいシーンでよく使われる手法です。ステップメールについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
- ステップメール 作り方
3-5. パーソナライズメール
5つめは「パーソナライズメール」です。
パーソナライズメールは、「1対1」の個人的なメールのやり取り、あるいはそれに近づけたメール配信を行う手法です。
どういうことかといえば、真のパーソナライズメールは、顧客一人ひとりに対して直筆の手紙を書くように、それぞれにメールを送ることです。
実際に、そのような施策を行っているブランドもあります。
一方、近年よく実施されているのは、ユーザー情報のデータをもとに、システム的にパーソナライズメールを自動送信するやり方です。
▼ パーソナライズメールの例
山田太郎様、本日はお誕生日おめでとうございます
いつもABCファッションをご愛顧くださる山田様に、
ささやかではございますが……
顧客は「自分ひとりのための、専用の特別な対応」を求めており、それを実現するパーソナライズメールは、顧客の愛着や信頼を強める効果が期待できます。
パーソナライズマーケティングについて詳しくは、以下の記事もあわせてご覧ください。
4. メールマーケティングで押さえるべき5つのKPI

実際にメールマーケティングに取り組む前に、メールマーケティングで頻出のKPIについて、把握しておきましょう。
- 到達率
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
- 配信停止率
4-1. 到達率
1つめは「到達率」です。
到達率とは、配信したメールのうちエラーになることなく無事に送信完了したメールの割合です。
▼ 計算式
到達したメール件数 ÷ 送信したメール件数 × 100(%)
到達率からわかることは、配信リストのメールアドレスの正確性や配信リストの鮮度です。
例えば、でたらめなメールアドレスを入力している顧客が多い、メールアドレスのリストが古くもう使用されていないアドレスが多い、などの場合には、到達率が低くなります。
目安としては、到達率が90%を切るようであれば、一般的な水準よりも低いと考えられます。
4-2. 開封率
2つめは「開封率」です。
開封率とは、配信したメールのうち開封されたメールの割合です。
▼ 計算式
開封されたメール件数 ÷ 送信したメール件数 × 100(%)
開封率からわかることは、メールの件名の訴求力やブランドからのメールに興味を持つ顧客の割合です。
例えば、メールの件名にしたテキストのキャッチ力が強ければ、開封率は高くなります。
また、メールが受信ボックスに到達してはいても、開封されることなくゴミ箱行きとなっていれば、開封率は低くなります。
一般的に開封率の平均は10〜20%といわれていますが、配信リストの内容や規模によって大きく上下しますので、自社の状況にあわせた評価が必要です。
具体的には、「先週のメルマガと今週のメルマガの開封率を比較する」「先月の平均と今月の平均を比較する」といった具合に、同一メール内で比較して評価するのが良いでしょう。
4-3. クリック率
3つめは「クリック率(CTR)」です。
クリック率とは、メールを開封した人のうち、メールの本文内にあるURLリンクをクリックして、Webページにアクセスした人の割合です。
▼ 計算式
クリックしたユーザー数 ÷ 開封されたメール件数 × 100(%)
クリック率からわかることは、メールのコンテンツ(本文テキストやデザイン)の訴求力です。
例えば、メールを開封したものの、読み始めてすぐに興味を失ってメールを閉じるユーザーが多ければ、クリック率は下がります。
逆に、開封したメールに惹きつけられ、そのまま本文を読み進めたユーザーが多いほど、クリック率は上がります。
また、同一のメール内でのクリック率を比較すれば、メール内のどの部分の訴求力が高かったのか・弱かったのかがわかります。
クリック率が高かった部分のクリエイティブ表現は、今後のメールコンテンツ制作に活かす他、広告バナーやランディングページなど、メール以外のクリエイティブに活用することもできます。
4-4. コンバージョン率
4つめは「コンバージョン率(CVR)」です。
コンバージョンとは、メール内のURLリンクをクリックした人のうち、コンバージョンした人の割合です。
▼ 計算式
コンバージョンしたユーザー数 ÷ 送信したメール件数 × 100(%)
※母数は「開封された件数」や「クリックしたユーザー数」にする場合もあります。
何をもって「コンバージョン」とするかは、それぞれのブランドやメールの種類によって、任意で定義します。
例えば、商品購入、会員登録、資料請求など、そのメールに求める具体的なゴールをコンバージョンとして設定することが多いでしょう。
コンバージョン率からわかることは、メール施策全体に対する総合評価です。
メールの到達率・開封率・クリック率に加えて、遷移した先のWebページの訴求力がないと、コンバージョン率は高まりません。
コンバージョン率が低い場合には、その原因がどこにあるのか分析したうえで改善することが大切です。
例えば、開封率が悪いのであればメールの件名を、クリック率は良いのにコンバージョン率が悪いのであれば遷移先のWebページを改善する、といった具合です。
4-5. 配信停止率
5つめは「配信停止率」です。
配信停止率とは、そのメールから配信停止した人の割合です。
▼ 計算式
配信停止したユーザー数 ÷ 送信したメール件数 × 100(%)
配信停止率からわかることは、そのメールを嫌だと感じたユーザーの多さです。
メールがただ開封されずにスルーされたり、ゴミ箱行きになったりするケースとは異なり、ユーザーが自ら配信停止のアクションを取るのですから、そこにはネガティブな感情が発生しています。
例えば、メール配信の回数が多くなり過ぎてユーザーがうっとうしいと感じたときや、メール件名の表現に嫌悪を感じさせる要素があったときなどは、配信停止率が高くなる傾向です。
配信停止率が高いメールは、どこに問題があったのか振り返りを行い、同じ過ちを繰り返さないように改善していきましょう。
5. メールマーケティングのやり方(1)基本の流れ

具体的にメールマーケティングに取り組むときの基本的な流れをご紹介しましょう。
- ステップ1:目的と目標を決める
- ステップ2:配信リストを設定する
- ステップ3:メール内容を制作する
- ステップ4:メールを配信する
- ステップ5:効果測定・改善する
5-1. ステップ1:目的と目標を決める
1つめのステップは「目的と目標を決める」です。
まずは、メールマーケティングを行う目的(Objective)と、その目的を具体的な数値に置き換えた目標(Goal)を設定しましょう。
▼ 目的・目標の例
目的:サンプル試用者を本品購入に引き上げる
目標:本品購入者数100名(コンバージョン率5%)
目的は「何のためにやるのか」「解決したい課題」などを定めます。
その目的を数値化したKPIとして設定することで、効果測定がしやすくなります。
5-2. ステップ2:配信リストを作成する
2つめのステップは「配信リストを作成する」です。
配信リストとは、言い換えれば「“誰に”メールマーケティングを行うか」という対象者です。
ステップ1で設定した目的に合わせて、対象者をリスト化しましょう。
もし、そもそもまだ対象としたい人々のメールアドレスを獲得していない場合には、メールアドレスの獲得から戦略を立てて、配信リストを作成する必要性があります。
5-3. ステップ3:メール内容を制作する
3つめのステップは「メール内容を制作する」です。
メールの制作は、そのメールの目的やどんなメールマーケティングを実施するかによって異なりますが、本格的に取り組むのであれば、クリエイティブブリーフを設定したうえで、クリエイティブブリーフに基づいて制作に入ります。
クリエイティブブリーフとは、クリエイティブ(制作物)の企画書のようなものです。
▼ クリエイティブブリーフに記載する項目(例)
- 目的
- 伝えたいメッセージ
- ターゲット
- インサイト
- 戦略・方向性
- トーン&マナー
など
※段階的に複数のメールを配信していく「ステップメール」の作り方は、以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
- ステップメール 作り方
5-4. ステップ4:メールを配信する
4つめのステップは「メールを配信する」です。
ステップ3までの準備ができたら、メール配信を行います。
実際の配信は、メール配信機能を持つマーケティングオートメーションや配信システムなどのツールの利用がおすすめです。
それぞれのツールの手順に従ってテスト配信をした後、本配信に進みましょう。
誤配信トラブルに要注意
メール配信時に注意したいのは、誤配信トラブルです。
SNSの投稿やWebページのサーバUPなどと違って、メールは一度配信が完了してしまえば、取消ができません。
重大な誤配信トラブルを起こさないよう、慎重に確認作業を行いましょう。1人の目でチェックするには限界がありますので、2人以上の目でダブルチェックする体制を作ることが大切です。
5-5. ステップ5:効果測定・改善する
5つめのステップは「効果測定・改善する」です。
ステップ1で設定した目標の達成率の他、「4. メールマーケティングで押さえるべき5つのKPI」で解説した指標をチェックし、効果測定を行います。
このプロセスは手作業ではなく、マーケティングオートメーションツールやメール配信ツールを利用することで効率化できます。
メールの配信後には必ず、「成功だったのか、失敗だったのか」を評価する習慣をつけましょう。
同時に、成功と判断した場合には成功要因は何だったのか、失敗と判断した場合には失敗要因は何だったのかを明確にし、次のアクションの改善・改良に反映していきます。
その繰り返しで、メールマーケティングの成果は大きくなっていくのです。
6. メールマーケティングのやり方(2)成功させるための重要点

次に、メールマーケティングを成功させるために押さえておきたいやり方として、3つのポイントをご紹介します。
- カスタマージャーニーに沿って「線」で考える
- 「どれだけ自動化できるか」が成功と失敗の分かれ道
- 「何を送るか」の前に「いつ・誰に」を磨いた方がインパクト大
6-1. カスタマージャーニーに沿って「線」で考える
1つめは「カスタマージャーニーに沿って『線』で考える」です。
“メールマーケティングだけ”でビジネスを行っている企業はなく、基本的には、全体のマーケティング活動の一部の施策としてメールマーケティングを実施しているはずです。
そこで成果をあげるためには、“全体のマーケティング活動”という上位概念の中で、メールマーケティングにどんな役割を担わせるか、という位置づけの意識が重要になります。
言い換えれば、メールマーケティングだけを単体で「点」で動かすのではなく、全体像の中で「線」となるように動かすのです。
具体的には、カスタマージャーニー実践の一環の中でメールマーケティングを捉えていくと、「線」で考えやすくなりますので、ぜひカスタマー ジャーニーを活用してください。
▼ カスタマージャーニーの例

カスタマージャーニーとは、顧客の一連のブランド体験を「旅」にたとえて時系列で可視化したものです。
詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。
- カスタマージャーニー タッチポイント
6-2. 「どれだけ自動化できるか」が成功と失敗の分かれ道
2つめは「『どれだけ自動化できるか』が成功と失敗の分かれ道」です。
メールマーケティングにおいてマーケティング担当者が注力すべきなのは、「思考すること、制作すること」であり、「メール配信や効果測定に伴う作業」ではありません。
システム的に自動化できる作業はできる限り自動化し、思考やクリエイティブに投入できる時間を増やさないと、メールマーケティングでの成功は難しくなります。
本記事でご紹介したKPIの測定やメール配信設定などは、自社にとって使い勝手のよいツールの導入によって効率化していきましょう。
6-3. コンテンツの前に「いつ・誰に」を磨いた方がインパクト大
3つめは「コンテンツの前に『いつ・誰に』を磨いた方がインパクト大」です。
これは多くのマーケティング担当者が陥りがちな落とし穴なので、心に留めていただければと思います。
どういうことかといえば、多くの人は、期待する成果があがらないとき、「コンテンツ」の部分が悪かったのだと思い、クリエイティブを磨き上げる方向性に努力しがちなのです。
例えば、件名の表現を工夫したり、ライターに外注してメール文を書いてもらったり、デザイナーに質の高い画像を作ってもらったり——といった努力です。
もちろん、これらの努力も重要なのですが、しかしこれらの要素以上に成果に大きなインパクトを与えるのが「いつ・誰に」メールを送るかという要素です。
「いつ・誰に」の部分を間違えたままクリエイティブを磨き上げても、成果は【 1→1.2】程度の改善しか見込めませんが、クリエイティブはそのままに「いつ・誰に」の部分を変更すると、【1→200】のように飛躍的に改善することが、実務の現場では珍しくありません。
ここで勘違いしないでいただきたいのは、クリエイティブが重要ではない、ということではないのです。
限られたリソースの中での取り組みの優先順位としては、まずは「いつ・誰に」をブラッシュアップすることで、早く大きな成果をつかみやすくなる、ということです。
ぜひ参考にしてみてください。
7. まとめ
メールマーケティングとは、メールを活用したマーケティング施策のことです。
メールマーケティングが再び注目されている理由として以下があります。
- マーケティングのデジタルシフトが進んでいる
- マーケティングオートメーションと相性が良い
- 効果検証がしやすく改善しやすい
メールマーケティングの種類として代表的なものは次のとおりです。
- メールマガジン
- キャンペーンメール
- ターゲティングメール
- ステップメール
- パーソナライズメール
メールマーケティングで押さえるべき5つのKPIとして以下をご紹介しました。
- 到達率
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
- 配信停止率
メールマーケティングのやり方の基本の流れは以下のとおりです。
- ステップ1:目的と目標を決める
- ステップ2:配信リストを作成する
- ステップ3:メール内容を制作する
- ステップ4:メールを配信する
- ステップ5:効果測定・改善する
メールマーケティングを成功させるためには、次のポイントを意識してみてください。
- カスタマージャーニーに沿って「線」で考える
- 「どれだけ自動化できるか」が成功と失敗の分かれ道
- コンテンツの前に「いつ・誰に」を磨いた方がインパクト大
なお、「自動化」や「いつ・誰に」のブラッシュアップに有益なのは、マーケティングオートメーションツールの利用です。