※ こののブログはA Letter About Apple Mail Privacy Changes(英語)の抄訳版です。
数週間前(2021年6月7日~11日)に開催されたApple社の世界開発者会議(WWDC)において、Apple社は新しい「Mail Privacy Protection」(MPP・メールプライバシー保護)機能を発表しました。
この機能は、今秋リリース予定のiOS 15、iPadOS 15、macOS MontereyのAppleメールアプリに実装されます。
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画像ソース:https://developer.apple.com/
メールプライバシー保護機能で、Appleメールアプリのユーザーは受信したメール内の情報やコンテンツの読み込みを難読化させることを選択できるようになります。
- 追跡用の1ピクセルサイズの画像:開封数の追跡用やHTMLかテキストメールの検知用
- IPアドレスと詳細ヘッダー:メール開封時の位置情報や端末情報どんなドメインのメール(ymailやgmailなど)でも、Appleメールアプリに届いた瞬間、メールが開封されたものとして見なされます。
メールマーケティング担当者への影響範囲
iOS 15, iPadOS 15, macOS Montereyの設定に本機能の適用率が14%に達する可能性があります。(2021年4月に実装した「App Tracking Transparency」(ATT・アプリトラッキング防止)というフレームワークのオプトイン率を参考)
Appleメールアプリの普及率は約11.5%にまで拡大するため、Open rate tracking(ORT)やClick-to-open Rate(CTOR)がある程度の規模で混乱する可能性があります。
起こっていること |
対応するべきこと |
「開封率」というKPI(例えば、件名テストの勝者を決定する際に)は不正確になります。 |
メールのクリック数やコンバージョン数などによりユーザーのエンゲージメントに貢献するKPIを調整する必要があります。 |
開封時間を基に動的なコンテンツ(カウントダウンタイマー、天気予報など)の活用ができなくなります。 |
開封時間以外のデータを基に動的なコンテンツを提供するか、別の戦略を検討する必要があります。 |
位置情報を取得できないため、メール受信者の地域セグメンテーションの精度が低下する可能性があります。 |
アンケートなどでメール受信者に位置情報を聞くなど、地域セグメンテーションの精度を向上させる必要があります。 |
この発表により、マーケティング担当者は運用中の施策・戦略にいくつかの調整をする必要があり、プログラムの成功を計画、実行、報告する方法に影響を与えることは間違いありませんので、その対策の準備をこれから始めても遅くありません。
また、メール戦略やツールセットに地殻変動的な変化をもたらすことはないでしょう。
すでにCheetah Customer Engagement Suiteを使用しているマーケティング担当者は、この変化に対応するために有利な立場にあります。